スクラムフェス大阪2026に参加した。スタッフ数人が知り合いかつ、家から近いし、スクラム関連の話題は定期的に仕入れておきたいというのが主な参加理由だった。仕事や子育てから一時的に離れてこのような場に参加することは非常に有意義であると再認識できた。
廊下で ryuzee さんとお話することができた。自分がChef実践入門の著者陣に加わった際にお世話になり、その後一度RSGTにてコーチズクリニックで相談して以来相当久しぶりに直接お話することができた。最近の悩みであるエンタープライズ案件での動き方について話すことができたのも大変よかった。仕事の関係でキーノートは直接現地で聞くことはできなかったのだが、他の参加者の反応によると大変良かったとのことで惜しいことをしたと思った。
他にも元同僚たちと廊下トークできたのが良かった。スクラム関連のイベントを通じて彼ら彼女らの仕事や人生の流れに触れられてうれしい。特定技術のカンファレンスではなく一歩引いて見たトークが多いように思う。そのためか、廊下で知人や元同僚と話したときも技術の話よりは仕事と人生の話になることが多いように思った。(それとも他の理由があるかも?)
いくつか発表を見た上で自分が受け取ったテーマとしては、「AI時代のエンジニアリングとマネジメント」、「AI時代でも変わらないこと」の2つだった。
AI時代でも変わらないこと
youhatuさんのセッションを聞いた。変わらないと確定(確信)しているわけではないけど、人間がAIを使い、人間がプロジェクトやプロダクトの仕様を決めたりしている間はスクラムの中心的な価値観は変わらないのかなと思っている。ここで中心的な価値観と言っているのは特に透明性についてだ。yohさんの発表でスクラムガイドから「透明性のない検査は誤解を招き、無駄なものである」という引用があった。作業者が人間であれ部下であれ、透明性を持って検査をする必要があるのは変わらないと思う。スクラムガイドたまには読み返さないといけないなと思うセッションだった。
AI時代のエンジニアリングとマネジメント
今回見ていた発表の中でインパクトがあったのは下記URLの小久保さんによる「AIが当たり前の時代に生まれた新人エンジニアの反抗期 ~教えてもらうだけの開発から自分でできる開発へ~」というものだった。教育目的も兼ねている開発プロジェクトにて、「実はすごいのはAIやパートナーさんじゃないのか?」と気が付き、本人たちからAIを使わず内製化しようという話が出てきたというのが興味深すぎた。新人エンジニアでその発想になるか?!と思ったので、懇親会でご本人や上司の方に聞いたところ本当だった。発表で共有されていた課題感が新卒研修を設計する側の考える内容であると感じた。すごいなと思うのと同時に、未来は安泰なのかもなと思うところがあった。(AI使えないんですかヤダーという人々が多いのかもなと勝手に思っていたので…。
Scrum Fest Osaka 2026 - Program Schedule | ConfEngine - Conference Platform
id:koic さんのセッションを聞いた。コードを書いたり手を動かすエンジニアリングマネージャーとしての自分に深く刺さったセッションだった。基本的に頷いてばかりだったと思う。頷いたところを列挙していくことにする。
"手を動かしてないことは想像力でしかない”
この言葉は本当にそのとおりだと日々思っている。作業の流れや落とし穴がわかるのは実際に手を動かしたことがあるから。実際に手を動かしたからこそ説得力が生まれるってことなんすよね。 エンジニアリングマネージャーのしごとからの引用で、説明責任は委譲できないという内容があったのもよかった。これこそまさに日々エンジニアリングマネージャーとしてやっている仕事じゃん、となった。AIがやっても部下がやっても説明責任が常にあると日々意識しながら仕事をしていく必要があることを再認識した。
発表の中で紹介されていたが、永和システムマネジメントの社是がめちゃくちゃかっこいい。調べてみると社是解釈ページもあった。 esm.co.jp
"エンジニアリング集団で知識を行動に具体化したアウトカムを生み出す" 活動について自分や自分の会社なりに取り組んでいるが、もっとうまくできるでしょと思っているところだった。取り組みについて発表するところまでつなげたい。
"組織全体の作る力をレベルアップしていける環境づくりはマネージャーの仕事" "メンバーの成長はひとつの大きなアウトカム"
それなーそれでしかないという感想。メンバーの成長を実感したり、メンバー自身が成長したことに気がつくタイミングを見ると嬉しくなる。個人的には他人の成長を見て喜べる人は(ピープル、組織)マネジメント向きだと思っている。(プロダクトマネジメントは別だと思うし専門外なのでわからない)
このままいくと発表スライド中の言葉を全て列挙しかねないのでここらへんでやめておくのだが、「AI 時代に学ぶべきソフトウェアエンジニアリングとはなんだろう?」という深いテーマについて懇親会で複数人で話していた。(koicさんのブログにも書いてある) koic.hatenablog.com
このテーマについての持論としては、ソフトウェア自身やソフトウェアが動くハードウェアについての知識をさらに掘り下げることかなと考えている。AI時代になっても手を動かすことが重要なのはこれまでと変わっていないし、それどころか重要性が増しているというのは上の方で書いたとおりだ。コンピュータサイエンスを学んだことで、新技術が来てもうろたえないというか、その新技術の仕組みについて着目することができる。知的好奇心の対象とすることで学び続ける原動力とできるし、AIが言っているそれっぽいことの真偽を確かめることができる力は必要だ。AIにより個人でできる範囲が増えていると感じているが、AIが作ったソフトウェアに対しての説明責任はまだ人間にある。AIが手を出しにくそうな物理世界のハードウェアのことは人間が学ぶ必要があるように思う。なのでレッツダイブ!低レイヤーと思っているところだった。
スクラムフェス大阪への参加について書いていたら、気がつくと低レイヤーの話になっていた。しかしこれは、このイベントを深く楽しめたということを表しているように思う。スタッフの皆様、参加者の皆様、素敵なイベントをありがとうございました。

