経営にかかわるようになり、ビジョンについて考える機会があったのでビジョナリーカンパニーを読んでみた。この本に書いてあるように、経営者や経営手法が大事なのだと思っていた。しかし、そうではないのだと教えてくれたのが一番よかった点だと感じている。訳書ではよくあることだが、回りくどさや何度も同じことが書かれていて後半はダレてきてしまった。途中までは楽しく読んでいたと思う。
以下、読書メモより
- 時を告げるのではなく、時計をつくる
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- 素晴らしいアイデアを持っていたり、すばらしいビジョンを持ったカリスマ的指導者であるのは「時を告げること」であり、ひとりの指導者の時代をはるかに超えて、いくつもの商品のライフサイクルを通じて繁栄し続ける会社を築くのは「時計をつくる」ことである
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- 素晴らしいアイデアにこだわっていると、企業が究極の作品だとは考えられなくなってしまうからだ
- 企業そのものが究極の作品である
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- 会社を製品の手段として見るのではなく、製品を会社の手段として見るように、発想を転換することになった
- (前略)これら(=製品)はやがて時代遅れになる。最大の貢献は、決して時代遅れにはならないもの、適応能力が高く、世代を超えて受け継がれる深く根付いた基本的価値観という「伝統ある精神」を持つ会社である
- ビジョナリーカンパニーが素晴らしい製品やサービスを次々に生み出しているのは、こうした会社が組織として卓越しているからにほかならず、すばらしい製品やサービスを生み出しているから素晴らしい組織になったのではないと思われる。
- ビジョナリーカンパニーの多くが現実主義と理想主義という二つの側面を両方合わせ持っている。価値観を守るか、それとも現実主義に徹するかの選択を迫られているとは考えず、現実的な解決策を見つけ、かつ、基本的価値観を貫くのが課題だと考える
- 正しい理念はあるのか
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- 理念の柱は何か?顧客、従業員、製品やサービス、冒険、革新
- ビジョナリーカンパニーの理念に不可欠なものはない。理念が本物であり、企業がどこまで理念を突き通しているのか方が理念の内容より重要
- 重要なのは、正しい理念や好ましい基本理念を持ってるかではなく、基本理念を持っており、社員の指針となり、活力を与えているかどうか
- ビジョナリー・カンパニーを築くには、基本理念を文書にすることが重要である
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- 基本理念=基本的価値観+目的
- 基本的価値観は組織にとって不可欠で不変の主義であり、利益の追求や目先の事情のために曲げてはならない
- ビジョナリー・カンパニーの基本的価値観は、理論や外部環境によって正当化する必要などないものである。時代の流れや流行に左右されることもない。市場環境が変化した場合ですら、変わることはない
- 基本理念を維持しながら、進歩を促す
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- 進歩への意欲があるから、基本理念を維持できる
- 基本理念を維持し、進歩を促す具体的な仕組みを整えることが何よりも大切だ。これが時計をつくる考え方の真髄である
- BHAG - 進歩を促す強力な仕組み
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- 社運をかけた大胆な目標(Big Hairy Audacious Goals)
- BHAGは人々の意欲を引き出す。人々の心に訴え、心を動かす。具体的でわくわくさせられ、焦点が絞られている。だれにでもすぐに理解でき、くどくど説明する必要はない
- BHAGが有益なのは、それが達成されていない間だけ
- BHAGと呼べるのは、の目標を達成する決意がきわめて固い場合だけ
- (つまり経営層も本気だぞという姿勢を見せ、リスクを取っていく動きを継続的にやっていくことで進歩を促していくということかな
- BHAGを設定するにはある程度まで、合理的な判断を超えた自信がなければならない
- 不遜要因
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- BHAGは社内より社外からの方がはるかに大胆に見える。ビジョナリーカンパニーがいくら大胆でも神々を恐れぬほどではない。掲げた目標を達成できないとは考えてない
- 大量のものを試して、うまくいったものを残す
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- 進化による進歩をはるかに積極的に促している